最近kiyoと飲む機会が増えた

職場が同じでなければ

馬鹿な噂を流されることさえなければと

あらためて感じつつ

静かに話を聞く態度を

責められながら

どうすることもできないと

自分に言い聞かせる

kiyoの30歳の誕生日

今年も一人で寂しいと

2人で祝うのは避けながら

同期で祝うことに

kiyoの好みの店に応えながら

必要もなく株をあげる

珍しく礼を言われると悪い気もせず

皆に隠れて何かをするわけにもいかず

微笑みながら頭を撫でる

ただ今後も何もできないと

自分に言い聞かせながら

職場の配置換えによる座席の移動

気がつけば
背中合わせにkiyoがいた

暇な時の話し相手ぐらいの
関係にしていたが

意外にも
顔が見えない分
メールや話をすることが減り

気がついてみれば
寂しさを味わっている自分がいる

後ろの席から

不思議と視線を
感じるときがある

気付かない振りをしながら
仕事を続ける

他愛もないメールが
送られてきながら

他愛もないメールを
送り返す

今も昔も
変わることなく

今後も
後ろの席に
座り続け

良くも悪くも
自分の心を
擽る女

なかなか終わらぬ
メールの嵐

いつものことだと
無視を続けるが

給湯室や
更衣室からの
多彩な攻撃に

敵も去るもの
油断を許さぬ

依然と続く
メールの嵐

何が理由で
火をつけたのかも
想像がつかず

ただひたすら
無視を続ける

終了の
目途もたたず

しばらくの
沈黙を経て
落ち着くも

飲み会の席で
隣となり

執拗なくらいの
叱責を受け
訳がわからず
逃げ出すも

再発する
メールの嵐

再度
全てを話し
自分の意思を伝える

受け入れられなくても

kiyoとの決別

一度は去った
給湯室へ
自然と足は赴き

泣いている
kiyoに
飲みに行こうかと
声をかける

泣き止み
笑顔を見せながら
足早に更衣室へと
姿を隠す